小学校1年のころ、クラスでお楽しみ会が催されることになりました。
私は、近所のお友だち3人で、紙しばいをすることにして、
学校が終わってから、お友だちの一人のうちに集まりました。
ものがたりは、私が思いつくままに紙に、一気に書き上げました。
主人公の女の子が、持っている
よそ行きのエナメルのくつ、ズック、そしてながぐつの3足のくつのお話で、
下駄箱の中で、それぞれ自慢話をするのですが、
ある日、エナメルのくつをはいて遊園地に行った女の子が、
途中で降ってきた雨に濡れずぶぬれになってしまい、
ぴかぴかのくつが泣きながら帰ってくるという内容でした。
私の頭の中では、場面がぐるぐると回り、ほぼ完璧に近い状態だったのですが、 それを紙しばいにするとなると話は別で、
今度は、場面を紙に描かなくてはなりません。
私は、絵がとても苦手だったのです。
画用紙を前にして、3人で取りかかってはみたものの一向に作業が進まず、
やがて、夕方の5時になってしまいました。
私ともう一人の友達は、その家の子に、
あまり長くおじゃますると悪いからと言ってあとはよろしくと、
画用紙数枚を押しつけて、帰宅してしまいました。
それから、私は、普段通りに過ごし、
そのことをすっかり忘れたまま、子どもの寝る時間を迎えてしまいました。
ところが、突然、玄関で「ごめんください」と
聞き慣れない声がしたので、母が出てみると、
なんと、昼間おじゃました友達とそのお母さんが立っていたのです。
「実は、子どもが画用紙を目の前にしてしくしく泣いているので、
どうしたのかと訳を聞いたところ、
明日までにあと5枚絵を描かなくてはならないというのです。悪いのですが
1枚か2枚、手伝ってもらえませんか?」
私は、恥ずかしいやら、申し訳ないやらで、
母の影から出て行くことができず、
母が訳を知り、謝って、紙を引き取るまでずっと後ろに隠れていました。
そして、母に諭され、やっとお友だちに謝まるために、
おずおずと前に出ました。その夜、母にも手伝ってもらい、
どうにか絵を描き上げ、次の日は3人で紙しばいを終えました。
終わって先生から、
「おもしろかったわね、みんなでよくできました」と
ほめてもらったとき、
3人でぐにゃっとした笑いを交わした事を今でも思い出します。
人を困らせていることに気がつかない、
自己中心的だった私ですが、
お友だちのお母さんの話し方が、
優しかったのでとても救われたような気がしました。
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ミモザ冊子は、簡単なお料理やケーキのレシピに織り交ぜて、私が
これまで経験してきたことのなかから、
若いお母さん方に伝えたいエピソードを綴っています。
とても疲れてしまって、立ち止まったとき、
きらきらと木漏れ日が、あなたに降り注ぐように、
もしも、これを手にとったかたが、ほんのちょっと今より、元気を出し、
お友だちを捜しに外へ、出かけてくだされば、とても嬉しいです。
きっとあなたのまわりにも、
私たちのようなお姉さんぶった先輩ママがたくさんいることでしょう。
そして、私たちは、いつも、いつものように、いつもの場所にいます。
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さて、今年のお盆は 家族の都合と 私が まだ 体調が
いまいちなので
九州の実家のお参りには 行けず
地元のお寺のご住職さんの元で
いずれ 向き合わなくてはならない 両親のお墓のことなどを
相談したりして
静かに過ごしています。
皆さんは このお盆 いかがお過ごしですか。
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数年前から、自宅で制作しているミモザ冊子を
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